#医学生団体「Flappaix」様

医学生団体「Flappaix」
“医師である前に、人に寄り添える人に”
宮城県を中心とした医学生団体Flappaix(フラッペ)は、医療系学生と患者さんが関わる機会を提供し、コミュニケーションの向上でつながりを紡ぎ、穏やかなひと時を過ごせる空間作りを大切にしています。
今回は、東北大学医学部医学科の学生であり、“医師である前に、人に寄り添える人に”を信念に、患者さんを笑顔にする活動をしているFlappaix(フラッペ)代表・笹川聖さんに、団体設立のきっかけや活動内容について取材させていただきました。
医療の場で感じたギャップ
笹川さんは、神経内科の実習中に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんに対して病状説明をする場に同席した際に、医師と患者さんのやりとりの難しさを感じたことが、団体設立のきっかけだったと語ります。医師が患者さんの病状の進行や、今後筋力が落ちていき定期入院が必要になることを淡々と告げ、最後に「なにか気になることありますか?」と尋ねると、患者さんは「ないです」と手短に答える形で説明は終了したそうです。
しかし、後で笹川さんが一人で患者さんのもとを訪れて話しかけた際、患者さんは「子供もまだ小さいし、仕事もまだ続けなければいけないのに、こういう病気になって本当に辛い」と胸の内を明かし、話を聞いてもらったことに対して嬉しそうに感謝していたと語ります。
この出来事は笹川さんの印象に強く残り、医師が医学的な正しさだけを患者に伝えることが、本当にその患者さんが望むものではないのかもしれないという思いが芽生えたと言います。
また、笹川さん自身も双極性障害の祖母や乳がんサバイバーの母親など、ご家族の中に病気を患っている方がいて、「患者の家族」というポジションで生きてきた経験もあり、
病気によって、患者さんやその家族がどのように大変で生活にどういう影響を与えるか身をもって知っていたため、実習の時に医師と患者の話を聞いていて、特にそういった部分が引っかかったのではないかと振り返ります。
寄り添うということ
「自分のことを見てくれて、自分のことを分かろうとしてくれる人がいると嬉しい」と思うのが人間の心理ではないかと、笹川さんは言います。
医療に携わる者として、たとえ病気を治すことが難しい状況の患者さんがいても、その方に対して「何かあったら私に言ってください」、「楽しく生活できるように一生懸命頑張りますよ」といった言葉をかけ、「私はあなたを見ていて、気にかけています。どんなことがあっても味方です」ということを伝えられるように心がけているそうです。

医療の知識だけでなく、寄り添う心も育てていきたいと願う笹川さんは、学生のうちから患者さんと多くの交流ができる環境を作り提供する、現在の活動を始めました。この活動を通して、医療者と患者の間のコミュニケーションギャップをなくし、寂しさや悲しみを感じている患者さんに対して、自分達が支えになれたらと語ります。
広がる心の輪
Flappaix(フラッペ)は笹川さんを含めたコアメンバー3人で、「好きなことを好きなだけやる」という唯一のルールと、「地域と医学生が支え合い、学び合えるような文化を作る」という目標を掲げてスタートした団体です。
医療者や地域の人々が肩書を気にせず、対等に対話できる場所を提供したいという想いと、コアメンバーの中にカフェで働いていた経験がある人がいたことから、最初の活動として公民館や福祉施設で出張カフェを開催しました。
その後、人生観や死生観について対話する会やグリーフケアを行う在宅緩和ケアの佐藤悠子先生もアドバイザーとして加わり、活動の場が広がりました。


今後も地域のお祭や街中への出張カフェ、小学生向けに聴診器の使い方を教える「キッズドクター講座」、市民向けのグリーフケアイベントといった多様なイベントを新しい試みとして開催し、リレーフォーライフというがん患者やそのご家族を支援する全国的なチャリティーイベントにも貢献される予定です。
アクティブに活動をしていく中で、興味を持って関わってくれる人が徐々に増え、現在では10~20人が参加しているそうです。
今後も学生や医療者、地域の方など、たくさんの人々を巻き込んで、一緒に楽しめるようなイベントを作りたいと熱い想いを語ります。
最後に…
医療系学生に向けてのメッセージ
入学当初は、医学部で様々な挑戦ができると思っていたけど、実際には試験の忙しさや周りの目が気になり、挑戦したいけど一歩を踏み出す勇気が出ないことや、何から始めればいいか分からないと悩むこともありました。
実習での無力感や、思い描いていた医師像とのギャップに挫折を感じることもありました。そこでそんなものだと受け入れてそのまま敷かれたレールに沿って生きる未来もあったと思います。
しかし、それでは本当に自分のやりたいことや目指すべきものは実現できないと思い、ちょっと勇気を出して、大学外のコミュニティに参加して世界を広げ、自分の居場所を見つけることで、本当に自分がやりたいことを表現してみたいとアクティブに挑戦するようになりました。
実習中に感じたコミュニケーションの難しさという小さなきっかけが、今では多くの人を巻き込んで自分のやりたいことに挑戦できる環境にいると感じています。
そういった自身の経験から、挑戦への一歩が踏み出せない人達に対しても、つながりや資金面を援助するから、「そのままの自分で大丈夫だから挑戦しなよ」と後押しができたらいいなと考えています。
可能性は無限大だし、不可能なことって少ないと感じています。
もし今、本当にやりたいことや、本当に何か納得いってないようなことがあるなら、ちょっと勇気を出して、挑戦してほしいなって思います。
挑戦すれば必ず誰かが助けてくれて、なんとかなるんです。
仲間が増え、実績も増え、いいサイクルが生まれていって、どんどんなりたい自分に近づけるので。
心が動くようなことがあるなら、ぜひ自分なりにトライしてみてほしいです。
取材協力
Flappaix 笹川聖様
Instagram:https://www.instagram.com/flappaix?igsh=eGt4MTkweWRxbzRw&utm_source=qr
Facebook:https://www.facebook.com/share/18Ra21hrnb/?mibextid=wwXIfr
編集:BeyondUS株式会社 広報部